店 名
いわ井
器・和雑貨・地酒
月曜日(月曜祝日の場合は翌日)
定休日
10:00~18:30
営業時間
お店からの一言
おもちゃ箱がひっくり返ったような、おもしろ雑貨と地酒のお店です。
風呂敷でのラッピングもお任せあれ。
本記事は2019年8月に作成されたインタビュー記事です。
自然と笑顔がこぼれる雑貨と地酒の店
お店の扉をくぐると、目に飛び込んでくる雑貨の数々。まるでアニメ映画の世界に飛び込んできたかのように、魅力あふれる商品が並んでいる。
パラパラマンガのように細工された絵本。お洒落な布製の名刺入れ。メガネケースから、風呂敷、スカーフ、お猪口、グラスなどなど…美しくディスプレイされた商品をみているだけで、気分が高揚していく。
元々造り酒屋だったいわ井では、地酒も購入できる。夏シーズンになると、祭り等でお酒の配達が忙しくなる。 地元飲食店との付き合いも深く、陸前高田になくてはならない、市酒屋・いわ井。パーティでのお酒の発注。お土産物も、大切な人へのプレゼントも。ここ一択だ。
延享4年…と言われてもピンとこないかもしれない。徳川幕府の時代、かつて陸前高田市大町は職人の町で、飾り職人として「いわ井」はスタートした。1747年、今からおよそ270年前のことである。といっても、東日本大震災により全ての記録が失われてしまったため、この数字は初代のお墓に刻まれていた没年から算出したものだ。少なくとも間違いなく営業をしていた時代がこの頃というだけであって、実際の歴史はさらに深いだろう。
現在の店主・磐井正篤さんは、12代目になる。 明治時代になり、時代の変化とともに造り酒屋に業態を変更、昭和19年には陸前高田と大船渡にあった8つの造り酒屋が集まって新しいブランド「酔仙」をつくりあげた。それまで製造してきたお酒は全て辞め、それぞれの店舗は販売のみを行なう酒屋になったという。
お客さんから「グラス、お猪口は無いのか」とよく聞かれるため、先代の頃にちょっとずつ小物も店頭に並び始めたのが、現在のお店の原型となる。 「家も何も全てを失い、とても営業を再開できるとは思えなかった」と語る磐井さん。 周囲からも再開を望む声が聞こえてきて、涙が出るほど嬉しかったという。
震災の年の5月には、テント朝市と竹駒にある義兄の家のベランダで営業を再開し、その後竹駒駅前のプレハブに移転。翌年の2012年4月に仮設の店舗が集まった施設・栃ヶ沢ベースに移転した。
本設した現在の店舗は仮設のころより若干広くなった。何より、商業者が集まったパワーはすごいと語る。次々とお店が立っており、相乗効果で来店が増えているという。
「自分たちが面白そうだなと思うもの、お客さんの笑顔が思い浮かぶものを仕入れることを大事にしている」
いわ井の店舗に入った時に感じるワクワク感は、磐井さんのこのモットーが根本にあるのだろう。店頭に並ぶ商品をゆっくり見ていると、時間があっという間にすぎていく。陸前高田市民にとっても、観光客にとっても、楽しめるお店だ。
贈り物には最適な、風呂敷を使ったオリジナルラッピング。