店 名
三陸おもてなしレンタカー
レンタカー
不定休(完全予約制)
定休日
10:00~17:00(予約に応じて時間外も対応)
営業時間
お店からの一言
人と環境に優しいEV(電気自動車)を専門に取り扱っております。美しい三陸の街並みを、ぜひ当店のレンタカーで巡ってみてください。(完全事前予約制)
本記事は2022年3月に作成されたインタビュー記事です。
点在する魅力を巡る〝足〟に
陸前高田の玄関口であるJR陸前高田駅に隣接する「三陸おもてなしレンタカー」は、魅力的な地域資源を掘り起こしながら、その点在する魅力を旅行者らが体験するための〝足〟を提供する。
貸し出すのはすべて日産の電気自動車(EV)。観光振興に寄与するだけでなく、環境に優しいEV活用によるSDGs(持続可能な開発目標)達成への貢献や、地域の交通課題解決も目指している。
公共交通機関だけにとらわれない移動手段の確保、レンタカーと連動した新しい観光ルート開発などを目的に、東北㈱(浅間香織社長)が運営する三陸おもてなしレンタカー。同社取締役の浅間勝洋さんは、陸前高田市で開催される「三陸花火競技大会」の実行委員長も務める。
「三陸に人を呼び込みたい」と2020年に立ち上げた同花火大会はもちろん、自社のレンタカーで陸前高田を巡るツアーを企画するなど、同社がとりわけ観光振興に注力するのは、市内に「交通需要」を生む狙いもある。レンタカーだけでなく、タクシー、路線バスなど既存の交通事業者を活性化させることで、少子高齢化が進む地域の交通網も守られると考えるからだ。
小回りがきく乗用車やミニバンを活用すれば、第一次産業の現場見学や小さな店舗への立ち寄り、駐車場が狭い観光スポットなど、大型バスでは行きにくい場所もルートに組み込める。コロナ禍もあって団体客が減る一方、自由度が高いレンタカーでの個人旅行はこの先も需要が高まっていくとみられる。
浅間さんは、「創業前は三陸沿岸全体の周遊を想定していたが、気仙地区(陸前高田市、大船渡市、住田町エリア)だけ、陸前高田市内だけに絞っても、一日では回りきれないほど十分なコンテンツがある。この地域が持つ潜在能力に驚かされる」と語る。
まだ一般的にはなじみの薄いEVも、ガソリン車と比較してパワーに遜色はない。操作方法もほぼ変わらず、1回のフル充電でおよそ160㌔の距離を走ることができる。市内の充電スポットは現在、高田町にある市役所とキャピタルホテル1000、竹駒町にあるローソンに限られるが、今後増設される見通し。「SDGs未来都市」に選定された陸前高田市ならではの観光のあり方として、EVレンタルへの関心はますます高まりそうだ。
震災から10年以上が経過し「今ようやくリピーターたちが、陸前高田を〝観光〟しようという機運になってきている」と浅間さんは見る。かつてボランティアとして訪れた人たちや、奇跡の一本松、震災津波伝承館、道の駅高田松原などはすでに見物したという〝二巡目〟の人々が、「じゃあ次は、まちなかやほかの場所にも行ってみようか」という流れが生まれ始めていると。「そういう機運を僕たちがしっかり盛り上げていけるようになりたい」と浅間さんは意気込み、若い社員らとともに陸前高田のさらなる魅力発掘に努める。