店 名
一本松不動産
不動産
日曜日・祝祭日
定休日
9:00~18:00
営業時間
お店からの一言
不動産の事なら当社へお任せ下さい。どうぞお気軽にご相談下さい。
本記事は2022年5月に作成されたインタビュー記事です。
土地や建物と人を結ぶ
東日本大震災で壊滅的な被害を受けた陸前高田。かさ上げ後、新たに整備された中心市街地では土地の未利用率が高く、まちの活性化へ向けて大きな障壁となっている。そんな中、土地や建物について「貸したい・売りたい人」と「借りたい・買いたい人」を結びつける〝まちの不動産屋さん〟は、地域の今後を占う重要な役割も担う。
事業主の村上稔さんは、震災が発生した2011年から約10年間、大船渡市にある不動産会社に勤務。主に陸前高田の物件等を扱った経験を持つ。
大船渡の出身だが、結婚後に陸前高田で暮らし始め、すでに同市での生活のほうが長い。来たばかりのころは、地区名やこの地域ならではの屋号(同じ姓が多い地域で個人を判別するためにつけられた家ごとの名称)も知らず苦労したが、今では地元と同じぐらい陸前高田に詳しくなり、友人・知人も増えた。やがてそれが「こっちでも仕事ができるのでは」という自信につながっていった。
独立を決心させたのは、「いつか戻ってきて一緒に働きたい」という長女の一言。仙台に本社を置く建売事業所に就職し、すでに宅地建物取引士の資格を持つ即戦力だ。「うれしかった。娘が帰ってこられる場所をつくってあげたい。地元のため親子で一緒に働けたら」という思いが村上さんの中で大きくなった。幸い、前職の社長も快く独立を後押ししてくれた。
店名は、ある先輩に「『村上不動産』じゃ普通すぎる。高田に店を出すんだから、やはり一本松が分かりやすいんじゃないか」と助言されて付けた。店のマークももちろん「奇跡の一本松」をイメージしている。
現在の市の課題は、復興土地区画整理事業で整備された宅地等の多くが、未利用のままになっていること。それぞれの土地の売値に統一性がないなど、売買の面で難しい点も多いが、行政や不動産業者が一体となり、利用率を上げるために知恵と情報を共有し合う。
村上さんは、「双方に喜んでもらえるような売買・賃貸のお手伝いをしたい」と語り「まだ知名度が低く、店も2階にあって入りづらいかもしれないが、土地や相続について、〝お茶っこ〟に来るぐらいの感覚で相談に来てほしい」と呼びかける。