店 名
熊谷珈琲店
カフェ
火曜日
定休日
平日 7:00~9:00/11:30~19:00 土日祝 11:30~19:00
営業時間
お店からの一言
自家焙煎コーヒーと軽食を、落ち着く空間でどうぞ。
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本記事は2019年8月に作成されたインタビュー記事です。
朝の日差しと自家焙煎の香り
子ども連れの家族でにぎわう公園の向かい。一見すると普通の住宅にしか見えないが、ここはこだわりの自家焙煎のコーヒーを提供している喫茶店だ。
地元の人も、県外からきた人も、店主のやわらかい笑顔と香ばしいコーヒーの香りに誘われて集まっている。熊谷珈琲店は近年減少し続けている、たばこを吸うことができる珈琲店だ。
時代と逆行していると思われるかもしれない。祖父母と両親が経営していた、たばこ屋としての物語を綴りつづけている喫茶店。ぜひ一度、足を運んてみてほしい。
高田町荒町の裏道。高田たばこセンターは、たくさんの自販機が立ち並ぶ姿が印象的だった。常連客からは通称熊谷たばこ屋として親しまれ、多くの人がたばこを求めて訪れていた。
現在の高田町にある熊谷珈琲店の店主・熊谷幸さんは、かつてこの街にあった熊谷たばこ屋の3代目だ。 「店から聞こえてくる母とお客さんの声は、マニュアル的な対応ではなく気さくな関係性でした。
そこが皆さんから愛された理由なのかもしれません」 震災当時、熊谷さんは東京で仕事をしており、当初は帰ってくるつもりはなかったらしい。
その考えを変えてくれたのが、現在も鳴石で営業している「りくカフェ」の存在だ。震災後に様々な人が集まり、つながる場所になっていたカフェを自分の目で見た熊谷さんは、当時まだ趣味だったというコーヒーの勉強をはじめた。
勤めていた仕事を辞め、資格を取得した。2014年に陸前高田へ戻ってきてからは、先行してカフェを営業しているお店で働きながら修行に励んだ。
2017年になり、ようやく現在のお店が建てられる目処がたった。自家焙煎のコーヒーは、常連客も他のコーヒーが飲めなくなってしまったというほど太鼓判を押している。かつての熊谷たばこ屋を愛してくれた人たちの思いに応えるため、喫煙のスペースも設けたが、お子さんがいるときには誰も吸わない。熊谷たばこ屋も熊谷珈琲店も、地域住民に愛されている証だ。陸前高田では貴重なモーニング営業もしている。朝の日差しと自家焙煎のコーヒーは格別だ。ゆっくりと流れる時間を楽しみに、訪れてみてほしい。
店主おすすめの幸ブレンド(360円)は、ブラジル・グアテマラ・コロンビアと3種類の豆をブレンド。苦味と酸味が少なく、飲みやすいブレンドだ。